失恋の思い出

今日は自分がTAを務めさせていただいている高校生向けのプログラム、九州大学エクセレント・スチューデント・イン・サイエンス育成プロジェクト 2012の第2回公開講演会があり、京都大学の江島亜紀先生が「失恋の思い出:ショウジョウバエから学ぶフェロモンと記憶の関係」という興味深いタイトルでお話をされた。

タイトルにも表れているように、非常にわかりやすく、丁寧にお話をされる方で、とても面白いお話だった。内容としてはショウジョウバエの行動フェロモンについてのお話が中心で、普段昆虫に接する機会の多い虫屋的視線で見ても、色々と考えつくことがあり、それと上手く結びつくところがあって、こういった部分でも自分の浅はかなレベルですら、虫屋的思考が活きてくるのかと気づくことができ、楽しかった。

講演会の後は、プロジェクト受講生向けに交流会というものがあり、生物学分野TAの私ともう一人でその企画をさせていただけることになり、「もしも」シリーズで高校生に色々と無理難題をぶつけて考えて、発表してもらった。交流会という名前の通り、生物・物理・化学・数学といった個々の分野内だけでなく、他分野の人とも積極的に交流して欲しいという目的で行ったので、班分けもバラバラの分野同士にしたが、高校生の柔軟な思考で、かなり限られた時間で持ち合わせの知識や想像力と班員との連携を駆使して考える姿は、個人的にはこういうことを行なってみるのも面白かったなと思うところがあった。

ちなみに問題にはこういったものを出した:

もしも植物が陸上進出することがなかったら現在はどうなっていますか?

ちなみにこの問題は使われてはいない。

馬鹿みたいに思えるかもしれないが、思考の練習として、色々とこういったことを考えることは普段はあまり意識していないような、考えもしないようなところの理解を深めることにつながり、大変有意義であると私は考えている。

講演会後はジュンク堂で偶然去年の受講生の一人と遭遇した。元気そうでなによりだった。

夕食は、両親が私の10代最後の夕食ということで記念に薬院の「浄水茶寮」という日本料理のお店に連れて行ってくれた。
とても上品な料理で秋を堪能することができた。幸せ。

まかり間違ってもお手本と言えるような10代を送ってくることはできませんでしたし、そんな人間になれてもいませんが、幸せな家庭で、大きな事故や病気無く健康に育てて下さった両親や妹に、そして日々ご迷惑をかけていても温かく接してくださる私に関わったすべての方々に、改めてお礼申し上げます。そして、これからもよろしくお願い申し上げます。