全国受講生研究発表会

昨日・今日の2日間、東京の東京都立産業技術研究センターにて、サイエンスアゴラというイベントの一環として、JSTの未来の科学者養成講座と次世代の科学者育成講座の全国受講生研究発表会が行われた。
私は,そこで高校時代に参加していた九大の未来の科学者養成講座のOBとして高校生に向けて講演する機会を与えていただき,今回の発表会に参加した.

初日のOB・OG講演会では,東北大・東京大・慶應義塾大・福井大・静岡大・九州大の講座OB・OG計6人が「U20科学研究者から児童・生徒へのメッセージ」と言う企画のもと,講演,そしてディスカッションを行った.

一応,講演をする側ではあったものの,他の人の講演から,大変得るものが大きかった.中でも東北大講座OBの友人のプレゼンは準備・内容の面で非常に完成度が高かったと思う.アイスブレイクのポイントもきちんと入れて聴きやすくしながら,かつ,しっかりと本質を伝えていた.もちろん他の4人の方のプレゼンもわかりやすく,心のこもったプレゼンであったという印象を持ったことは言うまでもない.

交流会では,私と東大講座OBの友人と二人で司会を務め,受講生の皆さんに簡単に自分の研究などについて発表してもらったが,それぞれ自分の考えを持って研究に取り組んでいるようで好感が持てた.と同時に,基礎の理解がおぼつかないまま(おそらく与えられたテーマの)発展的な研究に取り組んでいる方もいたようで,必要に応じ,最低限の基礎的な知識は押さえたほうが良いと感じた.あと,敢えてきついことを言うなら,自分の発表をしっかりと行うのと同じぐらい,他の人の発表に対して,質問とか意見をもっとどんどん言ってくるような生徒になってほしいなと感じた.質問魔になれと言っているわけではないけれど(僕はどちらかといえば質問魔のタイプだと思う),失敗してもいいから意見を言ってみて,そういうところで,相互的に影響しあってもいいと思う.

翌日のポスター発表では,やや睡眠不足ではあったものの,受講生の発表を興味深く聴くことができた.慣れないポスター発表であったのだろうけど,よく用意されていて,見ていた生徒に関しては全体的に,短い発表時間を通じて,どんどん良くなっていっていたようだった.さすが,吸収力が高い.それは特に,練習は積んでいるけど,発表慣れしていない若い受講生,特に言えば中学生などにおいて特に顕著で,素直に尊敬した.

こういった経験が,その時,その経験だけで完結せずに,これをきっかけにして,自分自身,そして周りにつなげていって欲しいと切に願った.それはもちろん,自分自身への戒めでもある.

参加することができて,多くのひたむきな努力に出会えて,教えられることばかりの本当に幸せな二日間であった.
http://www.scienceagora.org/
http://www.scienceagora.org/scienceagora/agora2012/program/summary/Cb-803.html


サイエンスアゴラブース風景(発表会とは違うブース)


ポスター発表の一風景