海、

東日本大震災から、今日で丁度一年を迎えた。

一年前は、あの震災を小学校時代からの友人二人と友人宅のテレビで見ていたが、画面に映された映像は、まるで映画の中のような、全く別の世界で起きている事実のような、そんなどこか例え難いものと映った。

ただただ、東北や関東、関西に住む大切な友人の安否がわからないという不安だけが、テレビの先に映る事象を現実のものとして実感させた。


あれから、1年なのだ。まだ、震災は何も終わっていない。苦しい生活を強いられている方々がたくさんいる。その中で、希望を見い出し、頑張り続けている人がいる。まだ、復興は始まったばかり。被災地の方々の、どこか悲しみを帯びたような目の色の、それでいて希望を見つめる笑顔が眩しい。この光が、未来を明るく照らしてくれるに違いない。

我々は、このことを決して風化させてはならないし、この災害を直視し、学び、より良い未来へと、つないでいかなければならない。

そう遠くないうち、自分も成人を迎える。私たちの世代は、否応無くそれを担っていかなくてはならない世代なのだ。

偽善な文章と言われれば全くもってそうなのかも知れない。ただ、私達にできることは、真摯に受け止め、伝え、希望を持って生きることから始まると思う。


海と平戸大橋と夕日

あの日、まだ寒さが厳しかったであろう鉛色の海は、多くの尊い命を故郷を奪っていった。福島第一原子力発電所の事故に代表される、近代技術の脆さを浮き彫りにした。技術立国、日本という国の世界に誇る素晴らしい技術は悲しくも自然の厳しさにはかなわなかったかもしれない。しかしながら、この日本という国に生きる人々の心は自然の厳しさに負けてはいない。私たちが希望と言うものを持ち続ける限り。